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☆愛しいパオへ☆
パオ・・・14年前の10月12日に初めて会ったね。
ちょうど生後57日のパオは、それはそれは小さく
目と目が離れてて、耳が大きく、うさぎさんみたいだったね。

このころシーズーのムクちゃん・パグのプーちゃん、ベティちゃん
ノアちゃん、みゅうみゅうがいたの覚えてる?
このあと11年の間に全員を見送ったね・・・
パオは最初、そこらじゅうでおしっこしてたね。
この子は馬鹿か?と内心思っていたけど、しばらくすると
教えもしなかったのに、おしっこを知らせるようになったね。
それに忙しく仕事をしてた私に、家の中でまとわりつくようになったね。
だから愛おしくなって事務所に一緒にいくようになったんだね。

事務所でも私の隣の椅子でおとなしくしてたね。
取引先や仕入れ先の人にも可愛がってもらい 『 会長 』 と呼ばれてたね。
どこへ連れて行ってもお利口だったから、どこへでも一緒だったね。
でも仕事の会合や出張は家でお留守番だったね。
そんなときパオはいつも嘔吐してたね。
そんなパオが可哀想でいじらしく、なるべく留守番はさせないように努力したね。
あるとき会合から遅くに帰宅したときのこと覚えてる?
パオは嫌がらせで、お布団におしっこをしたよね。
疲れて帰ってきた私はかんかんに怒ってパオをベランダに出したよね。
季節は冬だったから、外でパオはぶるぶる震えてたね・・・
しばらくしてパオを部屋に入れると、パオは歯をガタガタ鳴らせて
震えが止まらなかったこと覚えてる?
抱きしめてあっためても、30分以上も震えが止まらなかったパオだったね。
寒さだけじゃなく怖かったんだとわかった私は
それ以来パオを怒ることは、ただの一度もなかったね。
というよりパオはそれ以降、怒るようなことは何一つなかったけど・・・

いつでも膝の上に乗るか、隣の椅子にいるのがパオの定位置だったね。
約10年前に私が大腿骨頸部骨折をして、入院したときも
パオは面会に来てくれ、病院の外で抱っこしたよね。
そのとき全治一カ月だったのに、2週間足らずで退院し
松葉杖で仕事に行き、それが原因で治りが遅く
約7年前に会社の営業権を売り、仕事を完全に辞めたときもパオがいてくれたね。

仕事人間だった私が仕事を辞め、毎日をどう過ごしたらいいか悩んだときも
パオが必ずそばにいてくれたから、乗り越えられたと思うよ。
それからはパオと出かけられる場所をいっぱい探したよね。

仕事を辞めてからは四六時中パオと一緒に過ごせたね。
いろんな病気にもなり、手術も4回もしたけど いつもそばについてたね。
なのに・・・なのに・・・
どうして病院にパオを置いて、帰ってしまったのか・・・
悔やんでも悔やみきれない・・・
ごめんね・・・パオ・・・・
あの14年前の日から丸14年しか、一緒にいられなかったね。
もっともっと一緒にいられたはずだったのに・・・
私が病院に置き去りにしたから、パオはたったひとりで逝ってしまったんだね。
最期にパオの目に映った光景や不安な気持ちを考えるたびに
胸が締め付けられて、心臓がどきどきする私・・・
ほんとうに取り返しのつかないことをしてしまった・・・
ごめんね・・・パオ・・・
もっともっと一緒にいたかったね・・・


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